TaKaKuAtの日記

インドネシア語の学習記録です。

ロシア・ウクライナ問題に係るロシア側の主張について

 

最近愛読している”Media Indonesia”で非常に興味深い記事を見つけたのでシェアさせて頂きます。

 

記事のタイトルは、

Ketegangan Rusia-Ukraina Pendapat dari Rusia

mediaindonesia.com

「ロシアとウクライナ間の緊迫状況に対するロシアの意見」というものです。

 

ロシアへ現在留学している筆者がロシア目線からロシアウクライナ問題について解説してくれるのですが、彼は書き出しで

Ketegangan politik antara Rusia dan Ukraina, beserta Amerika Serikat, Eropa, dan NATO, akhir-akhir ini menjadi topik hangat di berbagai kanal televisi dan media sosial. Karena sebagian besar informasi didapatkan dari sumber negara-negara Barat, maka tak mengherankan kalau pendapat dan posisi Rusia kurang diperhitungkan. Akibatnya, Rusia digambarkan sebagai negara yang agresif, ganas, penyebab masalah, dan dalam jangka waktu dekat akan menyerang Ukraina.

Banyak dari rekan penulis yang masih awam di Indonesia yang ingin mengetahui duduk perkara dan mendengar pendapat penyeimbang dari pihak Rusia yang jarang terdengar. Oleh karena itu, penulis yang saat ini sedang belajar di Rusia dan mendalami politik luar negeri Rusia tergerak untuk menjelaskan secara singkat dan sederhana mengenai posisi Rusia dalam ketegangan politik ini.

「ロシアとウクライナ及びアメリカやヨーロッパ諸国間の政治的緊張状態は、最近テレビやSNSでも注目の話題になっている。大部分の情報は欧米諸国から発信されるため、ロシア側の意見についてあまり取り上げられないのは当然のことであるが、その結果としてロシアは攻撃的かつ凶暴な国で、じきにウクライナを攻撃すると報じられている。

まだこの問題についてよく知らなくて、問題の実のところを知りたい、めったに報じられないロシア側からの意見も聞きたいというライターの方も多いことだろう。そのため、現在ロシアでロシアの外交について学んでいる筆者は、この政治的緊張をロシアの立場から簡潔に解説していくことにした。」と語っています。

 

彼が言うように、対立している側の意見や背景などを知るってとても大切なことだと思います。私たちは通常主観的に物事を見たり伝えたり、また他者の主観が混じった情報などを受け取っていますが、時折主観が混ざりすぎて本来の情報が濁ってしまうことがあると考えています。

なので、主観が混ざりすぎている状態を一度リセットし、中立的・冷静に判断を下せるようになるのためにも、相手の視点に立って物事を見ることはとても意味のあることなのではないでしょうか。

 

前置きが長くなりました。

今回は内容が複雑なので、本記事の要点を日本語訳した後、出てきた重要単語・表現をまとめていこうと思います。

 

内容まとめ:

  端的に言えば、現在起きている政治的緊張はここ数十年における西側諸国に対するロシアの失望の表れである。

  事の始まりは、ロシア国境付近である東側へNATOが軍事的勢力を拡大しないという西側諸国の約束までさかのぼる。90年代初頭、ヨーロッパの国々、アメリカ、そしてソビエトの指導者たちは、ソビエトが軍事拡大と核兵器開発をしないこと、ワルシャワ条約機構を解体することを求める協定が口頭で結ばれた。代わりとして、西側諸国はソビエトに対し、経済的支援をすること、ドイツ国境を超えるNATOの拡大を行わないということを約束した。

  しかし、残念なことにこの協定は書面という形で残されていなかったため、21世紀にワルシャワ条約加盟国がNATOに加盟した際や、NATOの軍事物資などがロシア国境付近まで迫ったときも、ロシアが示せる証拠は何もなかった。

  そのため、ロシアは西側諸国がロシアを欺き騙したととらえているのだ。

  ウクライナNATO加盟はロシアの一番の懸念事項である。なぜなら、ウクライナNATOに加盟すれば、NATOの軍的兵器はロシア国境に直接接する位置に配置されることになるからだ。

  NATOの第5条には、NATOに加盟している国に対する攻撃は、NATO全加盟国に対する攻撃とみなし、集団的自衛権による反撃を行うと記されている。もしウクライナNATOに加盟し、クリミア半島の奪還が行われた場合、ロシア・ウクライナ間の摩擦はNATO全加盟国とロシア間の紛争に発展してしまう。

 ロシアはヨーロッパ諸国と対等になれるよう、文化的・経済的に国交を開いたものの、現実にはロシアの立場が尊重されることはなかった。例えば、チェチェン紛争、ロシアの同盟であるユーゴスラヴィアでのNATOアメリカによる爆撃、元ソビエト連邦構成国でのカラー革命や政治危機に対する西側諸国の関与など一連の出来事は、NATOが未だロシアを”敵”とみなしている証拠である。

 

 次に重要なポイントとなるのは、2014年以降ウクライナで起きている政治危機に関する意見の分裂だ。2013年にウクライナEUへ加盟をしようとしたが、加盟は延期されてしまった。ウクライナEU加盟賛成派は、ロシアからの圧力と干渉によってEU加盟は延期されたのだと主張し、この問題は当時の大統領ヤヌコヴィッチとEU加盟支持派の間の騒乱にまで発展した。この事態を収束させるために、平和協定が開かれたが、2014年のユーロマイダン革命によって打ち切られてしまった。また、この革命によってヤヌコヴィッチ大統領はロシアへの亡命を余儀なくされた。次に就任した大統領は親ヨーロッパ派であったため、ロシアはこの革命がヤヌコヴィッチ政権を失墜させるためのものだったと非難した。

 注目すべきは、全ウクライナ国民が革命を支持したわけではないことだ。民族的・言語的にロシア人であるクリミア、ルガンスク、ドネツクの多くの住民はロシアへの同情を示し、革命に反対した。これはのちにクリミアでの住民投票の実施とウクライナ東部での分離運動及び武力紛争につながる。ウクライナ政府は、ウクライナ東部に武力攻撃やバリケードの設置を行ったほか、ウクライナ国内でのロシア語を禁止にするなどの政策により、ロシアから”身勝手な行為”として批判された。その一方で、ロシアは人道的措置としてウクライナから避難してきた人々を受け入れたが、これにより西側諸国からウクライナ情勢に介入している、分離派に武器を渡しているなどと批判されることになる。

 この政治的問題を解決するために、国際的協力のもと2014年9月に開かれたのがミンスク議定である。この議定には、ウクライナ東部の地域に特別自治権を与えればウクライナ政府の統制下に戻るとの文言があるが、ロシアはこれに関して、ウクライナ自治権を与えることなくウクライナ東部を取り返そうとしており、これにより問題が長期化していると主張。一方で、ウクライナと西側諸国はロシアがウクライナ東部に干渉しているとみている。ロシア自身は干渉を否定し、問題解決にはウクライナ東部の住民と直接対話して解決すべきだと強調した。

 

 三つ目の問題はクリミアのロシアによる併合である。ウクライナ東部の紛争と同じく、クリミア併合も2014年のユーロマイダン革命の結果として起きた出来事である。クリミア半島は19世紀からロシア皇帝の統治下にあり、ソビエト連邦崩壊を機にウクライナの権力化に移った。

 クリミアで住民投票が行われた。クリミアの住民は大半がロシア人であるため、革命を受け入れない者も当然多かったが、住民投票の結果は曖昧である。ウクライナと分離し、ロシアとの統合を選んだ住民の数は82%、93%、96,7%と諸説あり、この高すぎる数字はロシアの不正操作を疑わせた。ロシアは関与を否定したが、アメリカやカナダなどの各国は経済・政治・外交的な制裁をロシアに与えた。

 ロシアはこの制裁に反発し、制裁を与えた国への食料品の輸出を停止するなどして対抗した。このことは両者のさらなる関係悪化を招いた。

 また、ワクチンの承認問題など、新型コロナウイルスも状況悪化に拍車をかける要因になった。

 以上のことを踏まえると、ロシアがウクライナ国境付近に軍隊を派遣したのは、ロシアと西側諸国の関係悪化が招いた結果だということがわかる。自国の安全が侵されていると感じたロシアは、NATOと西側諸国にウクライナNATO加盟に対する強い反対意見を記した要求書を送った。ロシアはすでに幾度もウクライナを攻撃する意思はないことを強調している。ロシアが現在繰り広げている軍事訓練はロシアの完全なる権利であり、今拡散されている悪いニュースは、ロシアを嫌う国々のプロパガンダに過ぎない。

 違った意見もあると思うが、各国が自制し、この問題が平和で外交的な手段で解決されることを願っている。

 

何とか記事のポイントとなる部分を訳してみましたが、難しかったです。

もし私の日本語が分かりにくかったら申し訳ありませんm(__)m

 

単語まとめ:

  • negara-negara Barat:西側諸国 (Barat のBは大文字)
  • garansi:保証 
  • Pakta Warsawa:ワルシャワ条約
  • serangan balik kolektif:集団的自衛行為 (kolektif=bersama)
  • bangkit dari keterpurukan:落ち込みからの回復・立ち直り
  • perusahaan transnasional:国際的企業 (transnasional=internasional) 
  • intervensi=ikut campur:介入・干渉 
  • bermuka dua:裏表がある 
  • referendum:国民投票 
  • gerakan separatis:分離運動・独立運動
  • bertindak semena-mena:身勝手にふるまう
  • Minsk Protocol:ミンスク議定
  • aneksasi:併合
  • semenanjung:半島 
  • manipulasi:(不正な)操作
  • armada:艦隊
  • semakin memperkeruh hubungan kedua belah pihak:両者の関係をさらに悪化させる

 

感想:

 Artikel ini sangat berkesan bagi saya karena saya yang selama ini hanya menerima berita-berita yang dikabarkan melalui TV dan media lainnya, secara otomatis menganggap Rusia sebagai negara yang selalu membuat masalah yang dapat mengancam perdamaian serta keselamatan masyarakat internasional.  Saya kurang tahu apakah apa yang dikatakan di artikel ini benar atau tidak, tetapi masalah-masalah yang saat ini kita hadapi mungkin sebenarnya lebih kompleks daripada yang dipublikasikan sehingga akan lebih baik kita tidak menjudge salah satu pihak yang sering disalahkan di media sosial tanpa berusaha mengetahui latar belakang yang sesungguhnya.  Semoga segera bisa menemukan titik temu yang memuaskan bagi seluruh pihak melalui cara yang damai. 

 

拙い日本語訳を長々と失礼しました。

今まで知らなかったロシア側からの視点を知ることができ、

今後のロシアや各国の動きにより興味がわいてきました。

今回もお読みいただきありがとうございました。

 

                       

 

20 Feb 2022 Takakuat